
【公式】臨済宗大本山 円覚寺
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■管長日記「志と熱意があれば」
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最後に一日のはじまりを整える、呼吸瞑想がございます。
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もう十年も前になりますが、あるお寺の集まりで、外国人の修行僧の姿を見かけたことがありました。
外国の方でも修行道場で修行していることはあるものです。
しかし、いろいろ文化の違いもありましょうし、今や日本の若者でも耐えるのがたいへんだという修行道場でよく頑張っておられるなと見ていました。
その後小田原のお寺に入られたという噂を耳にしていました。
どうも聞いてみると、外国人というよりはハーフの方だということでした。
風のたよりに聞いたところでは、あまり檀家のないようなお寺にお入りになったというのでした。
これまたご苦労なことだろうと思っていました。
東京の谷中の全生庵に彼岸の法話に毎年うかがっていますが、その全生庵でお手伝いされているお姿も拝見しました。
もう何年も修行道場に入って修行していたので、法衣姿もすっかり身についていらっしゃいます。
いろんなお寺でお手伝いをしながら頑張っているのだと思っていました。
そのうち、その和尚のことがいろんなところで取り上げられるのを眼にするようになってきました。
檀家のあまり無いお寺に入って、樹木葬をなさって活躍されているという話題でありました。
ご縁があって、このたび、円覚寺にお越しいただいて若い修行僧たちや若手の和尚さん達にお話をしてもらいました。
私もお姿をお見かけしていましたが、直にお話をするのは初めてであります。
小田原の願修寺のご住職である岩山知実和尚であります。
岩山和尚は一九八五年日本のお生まれです。
今年四十歳になる和尚です。
お父様がドイツ人で、お母様が日本人、幼少の時から高校卒業までをドイツで育ったのでした。
大学は日本の大学で学び、卒業してから三島市にある龍沢寺の修行道場に入門されました。
そこで六年もの修行を積まれました。
私が外国人の雲水さんだと見ていたのはその頃です。
お父様が龍沢寺の中川宋淵老師に師事して坐禅をなされていたのが、禅との出会いだったのでした。
高校時代には禅寺に泊まって参禅されることもあったとのことでした。
大学を出て龍沢寺で修行されて、そのあと、空き寺を探していて、ご縁があって今のお寺にお入りになったのでした。
お寺に入って九年になります。
はじめ檀家は四件、葬儀は三年に一度しかなかったようです。
岩山和尚はご結婚なされていて、お子さんもいらっしゃいます。
独り身なればいかようにも暮らせますが、家族があるとそうはいきません。
はじめはいろんなお寺のお手伝いに行っては生活されていました。
しかし、それでは自分のお寺が汚れたままになっているのが悲しくて考え直したというのです。
たしかに朝早くからよそのお寺にいって夜に帰ってくると掃除をしている時間もありません。
この寺をなんとかしたいと思われたのでした。
そこで、ご縁があったのが樹木葬でありました。
はじめは会社にお願いして運営を始められたのですが、いろんないきさつがあって、今やお寺が主体となって樹木葬墓地を運営していらっしゃいます。
その結果はじめは檀家四件だったのが、今や檀信徒四百件を超えていらっしゃるのです。
その間に本堂も建て直されたのでした。
こういうお寺のあり方には賛否両論があろうかと思います。
あまりにも今までとお寺の様子が変わってしまうので、受け入れ難いという方もいらっしゃると察します。
ただ岩山和尚が志と熱意をもって取り組まれた結果なのであります。
兼職はしないと心に決めていたとおっしゃっていました。
英語、ドイツ語が堪能ですので、英語塾や通訳の仕事もあったと思いますが、それはしないと決めて僧侶の仕事ひとつにしたのでした。
樹木葬というあり方にもいろんなお考えがあるでしょうが、岩山和尚は布教の場を構築するのが目的でありました。
仏教を信じる人を増やす、自分自身を信じる人を増やすのだとおっしゃっていました。
この志は尊いものであります。
今や数名のスタッフを雇って運営されています。
岩山和尚はご自身で決められたことは兼職しないことのほかに、坐禅会の依頼は断らないということでした。
各種の坐禅会をなさっていて、小田原城の天守閣で坐禅するというのもなさったそうなのです。
お話もとても明晰でありました。
一に現状を把握し、二に課題を認識して、三に解決を実行してゆくというのです。
そうして眼の前のことをひたすら一所懸命に取り組むことは修行道場で習ったことだとおっしゃっていました。
それからお寺や和尚さんの世界では、お金のことをあれこれ口にするのは憚られる傾向が強くあります。
岩山和尚は、お金は問題解決した対価であり、「ありがとう」を形にしたものだとおっしゃっていました。
お金のことなど考えずに坐禅すればいいというお考えもあろうかと思います。
控え室で話をしていて独り身であれば坐禅だけして生きていけるとおっしゃっていましたが、家族を持っている和尚には収入も必要です。
そして樹木葬がご縁となって、お寺で法事をしたり、仏教に触れたり、坐禅をしてみることにも繋がるというのであります。
批判は当然のことながらあることなので、それは受け入れる覚悟をお持ちでいらっしゃいます。
語り口も穏やかで、間の取り方もお上手であり、引き込まれる話でありました。
円覚寺の修行道場に来ている修行僧もそれぞれのお寺で、それぞれ課題を抱えています。
岩山和尚のような方に触れると、志と熱意があれば道は開かれると感じることができたのではないかと思います。
横田南嶺
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【サムネイル写真の募集】毎日の管長日記と呼吸瞑想
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